兵庫県但馬地方は令制国の但馬国にほぼ一致し、県域の約4分の1を占める広大な地域である。円山川やその支流域に点在するいくつかの盆地を除いては山がちな地勢であるが、それぞれの地域では、森林や鉱物、温泉などの自然の恵みを受けながら、隣接する丹後、丹波、播磨、因幡との相互交流によって独自の文化を発展させてきた。
明治4年の廃藩置県と直後の統合により、いまから150前、但馬のみならず、丹後および丹波の一部を県域として豊岡県が成立したが、同9年の再統合によって分割され、以降は兵庫県に属することとなった。
本書は、明治から現代までに但馬で撮影された写真を収集しまとめたものである。ひとつひとつの写真は、時間と空間という座標軸によって求められる一点に過ぎないが、本書を俯瞰することによって、但馬という地域がどのような変遷を遂げたのか、おぼろげにでも見えてくるようにと編集を行った。
収録地域=豊岡市・養父市・朝来市・香美町・新温泉町
■執筆
飯田洋己(元但馬史研究会会員)
伊崎文彦(豊岡市立日本・モンゴル民族博物館学芸員)
石松 崇(香美町教育委員会)
茨木信雄(ようか路上探検風倶楽部)
岡部良一(但馬史研究会会員)
川見章夫(山名氏城跡保存会)
小島公明(いくの地域自治協議会事務局長)
小谷 勇(但馬史研究会理事)
古段 守(養父の歴史文化を探る会)
四角澄朗(城崎温泉町並みの会代表)
島垣 晃(但馬学研究会会長)
住吉茂樹(元但馬学研究会会員)
田中榮一(兵庫県杞柳製品協同組合理事長)
西村禮治(元但馬学研究会会員)
橋井伊佐男(元竹野町教育委員)
藤岡治良(朝来市役所法制執務支援員)
藤原博文(但馬学研究会会員)
藤原弘幸(池田草庵先生に学ぶ会)
松井敬代(豊岡まち塾副塾長)
水田文夫(ギャラリー汗愛主宰)
■制作協力
但馬学研究会
■編集
樹林舎「但馬の100年」編集部
本書の内容について間違いがございました。
謹んでお詫び申し上げます。
訂正箇所につきましてはコチラから確認願います。
■目次■
巻頭口絵◆カラー写真で見る すこし昔の但馬
第Ⅰ部
1 新時代の胎動―明治・大正の但馬
特集◆北但大震災
2「激動の時代」はじまる―昭和前期の郷土と人びと
3 しのびよる戦争の影―戦時下の但馬
第Ⅱ部
4 思い出の街角
5 変わる風景、変わらぬ風景
6 SLからマイカーへ―交通網の変遷
7 あのころの暮らしとなりわい
特集◆豊岡の杞柳細工
特集◆但馬の鉱山―生野・明延・中瀬
8 祭りと行事―受け継がれたもの、はじまったもの
特集◆柳まつりと春まつり
9 戦後教育と地域の学び舎
特集◆子どもたちの歓声が聞こえる
10 追想・戦後のできごと