西三河今昔写真集
■西三河今昔写真集(監修/新行紀一 定価9,800円)【2006年(平成18年)7月22日 中日新聞-ダイジェスト】
明治以降の西三河地域の変遷を写真で振り返る「西三河今昔写真集」が樹林舎から出版された。行政や企業、個人など西三河全域で2年かけて集めた約3,000点のうち、古里の原風景が際立つ写真を厳選。現在の景色と比べて掲載し、一目で比較できる。過去と現在合わせて約390点を収録している。
城下町の面影を残す昭和初期の岡崎の二十七曲がり、農業に不向きで飛行場から工場に転用された豊田の台地などが西三河地域の特色という。
刈谷に住み、「表現主義」と呼ばれるコンクリート建築を数多く設計した大中肇の建物や、西尾で戦前に多く見られた駅舎などのモダンな建物、吉良の製塩業、矢作ダムに沈んだ豊田市の牛地地区など、西三河地方の山間部から海辺までまんべんなく取り上げている。
同社は昨年(2005年)、東三河で同種の写真集を出版しており、小学校の郷土学習などで活用されているという。
【2006年(平成18年)7月30日 東海愛知新聞-ダイジェスト】
新旧写真の対比により、ふるさとの思い出、変遷をたどる「西三河今昔写真集」が名古屋の樹林舎から出版された。モノクロ写真380余点で明治末期から現代までを網羅。史誌などを除いた一般書としては95%が未発表のものだという。建物、町並み、看板、乗り物や人々の衣服など、生活文化・風俗の貴重な資料となっている。
例えば、道幅約10メートルの岡崎・本町通りを練る家康行列(昭和7年ごろ)、伝馬通りの西本陣跡にあった映画館「岡崎東宝」(同25年ごろ)の写真を見ることができる。また、コラム「懐かしの観光地めぐり」では、昭和10年ごろ岡崎城の西、伊賀川堤にムシロを敷いて花見をする風景も。
監修した新行紀一氏は、「近代日本の生活文化が昭和大合併のころには村にまで及び、地域に個性が見られる」とし、「これらの写真は21世紀の地域の将来像を考える手掛かりになるはず」と序文に書いている。