なつかしきあの日、あの時。
心に残る思い出――「昭和」。
指宿市、南九州市、南さつま市、枕崎市
本書が対象としている「南薩」とは、薩摩半島南部に位置する指宿市、南九州市、南さつま市、枕崎市からなる地域です。太平洋戦争中の南薩には、知覧、万世に特攻基地が置かれ、頴娃の青戸にも3つめの飛行場がつくられ、さらに、一帯に本土決戦部隊も配置されるなかで終戦を迎えました。戦後、枕崎や山川ではカツオ漁や鰹節を中心として復興にはげみ、指宿、山川、開聞、頴娃、知覧、枕崎では土壌改良や灌漑などの事業によって、県内でも有数の農業生産を誇るまでになりました。とくに、頴娃の茶業は有名です。また、シラス台地から湧き出すきれいな水と、特産のサツマイモを原料とした焼酎造りもこの地域ならではの産業である。そのほか、重要無形文化財に指定された南薩摩の十五夜行事をはじめ、特色ある民俗行事も多くあります。こうした地域の大切な思い出を記録した、約600枚の写真によって構成された本書は、南薩の昭和を振り返る地域のアルバムとなっています。
〈監修・執筆〉
青屋 昌興 ほか
〈執筆・協力者〉
青屋 昌興(郷土史家)
西 俊寛(頴娃町前収入役)
里中 勝(頴娃町宮脇地区前公民館長)
福元 拓郎(加世田いにしへガイド会長)
篠原 有史郎(南さつま市文化財保護審議会委員)
有木 由美(南さつま市文化財保護審議会委員)
林 眞古刀(南さつま市文化財保護審議会委員)
奥村 拓郎(南さつま市坊津歴史資料センター輝津館前館長)
牛山 好治(枕崎市文化財保護審議会委員)
藏園 治巳(指宿市文化財保護審議会委員)
判 型 A4判、上製本
頁 数 280頁(カラーページ16頁)
発売日 2013年10月30日
本体価格 9,514円+税
2000部限定です。
■本書のおもな内容■
巻頭カラー 色彩の記憶 ── 南薩の昭和
1 昭和初めの暮らし
2 戦前の風景と街並み
3 戦前・戦中の学校
4 銃後の暮らし
フォトコラム 三つの特攻基地があった南薩 ―― 知覧・万世・青戸
フォトコラム 南薩の護りに就いた中年兵たち ―― 本土決戦部隊「護南兵団」
5 戦後の人びと
フォトコラム 南薩摩が育てた本格焼酎蔵 ――薩摩酒造
6 懐かしい街並みや風景
7 変わりゆく景観
フォトコラム 2市4町の農業を救った南薩畑地かんがい事業
8 地域に働く人びと
フォトコラム 南薩地方は日本一のお茶所
9 道路網の発達と交通手段の変遷
10 戦後の学校
フォトコラム 南薩の私立学園がまちを元気に… ――学校法人 希望が丘学園
11 戦後の子どもたち
12 わが町の出来事散見