なつかしきあの日、あの時。
心に残る思い出──「昭和」。
山梨県──郡内地方(富士吉田市・都留市・大月市・上野原市・南都留郡・北都留郡)
大菩薩峠や御坂山塊によって甲府盆地から隔絶され、甲斐国内にあって別国のようだといわれた「郡内」。古くから絹織物の産地として知られ、江戸期には「郡内縞」、明治期以降は「甲斐絹」の名とともに郡内の呼称も広まっていった。明治期には中央線が開通し、大正期には富士電気軌道によって電車が運転開始されるなど交通網の整備もしだいに進み、昭和戦後には「山梨県の夜明け」といわれた国道20号の笹子トンネルが開通。その後、中央道も開通すると郡内の物流や交通事情が一変する。
本書には、そんな郡内の昭和時代のようすを記録した貴重な写真を600点以上収録、それぞれの写真に丁寧な解説を付して、ページをめくるたびに六十余年の間に移り変わってきた地域の姿をたどることができる、地域の写真アルバムとなるよう努めた。常に富士山を背景とした懐かしい暮らしの風景や街並み、祭りの賑わい、茅葺屋根の寒村から観光地へと変貌する富士北麓、首都圏との結びつきでベッドタウン化が進む東部地域のようすなど、章立てにも当地ならではの特色が反映されている。
〈監修・執筆〉
奈良泰史(都留市郷土研究会会長)
〈執筆〉
稲垣自由(大月市教育委員会社会教育課)
大野航輔(株式会社リトル・トリー代表取締役)
小俣 博(上野原市文化財保護審議会会長)
菊地敏彦(元山梨県立桂・谷村高校校長)
小西直樹(上野原市教育委員会社会教育課)
杉本悠樹(富士河口湖町教育委員会生涯学習課)
布施光敏(ふじさんミュージアム学芸員)
森屋雅幸(都留市教育委員会生涯学習課)
判 型 A4判、上製本
頁 数 280頁(カラーページ16頁)
発売日 2019年12月15日
本体価格 9,082円+税
ISBN 978-4-908436-43-7
■目次■
巻頭カラー 色彩の記憶──カラー写真でたどる郷土の昭和
1 昭和の幕開け
2 戦時下の日々
3 ガチャマン景気とまちの発展
4 思い出の街角
5 学び舎の記憶
フォトコラム 学園のまち
6 整備が進む鉄道・道路
7 懐かしい風景と暮らし
8 祭りと民俗行事
9 昭和の子どもたち
10 観光地として変貌する富士北麓
フォトコラム ベッドタウン化が進む東部地域
11 昭和戦後のむら・まち